ハイムテキスタイル2025トレンドレポート

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トレンドセッターがイタリアのデザイン事務所「アルコバ」に交代
よりカラーをクローズアップしたトレンド提案に

「ハイムテキスタイル2025」トレンド展示エリア

 世界最大級のホームテキスタイル、およびコントラクトテキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル2025」が、さる1月14日?17日の期間、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場にて開催された。今年は昨年を上回る65カ国・地域から3000社を超える企業が出展(昨年は60カ国・地域から2838社)、来場者も昨年を上回る約5万名(前回は約4万6000名)が世界142カ国・地域から集まった。

 さて、「ハイムテキスタイル」のメイン企画として、世界のテキスタイル業界関係者から注目を集めるのが最新のテキスタイルトレンド提案である。今年は16年続いたチーム制のトレンド構築からイタリアのデザイン事務所「アルコバ」に交代、よりカラーを重視した新たなアプローチによってトレンドが構築された。
 

サステナブルからインスピレーションを得たカラー18色を提案
 

 「アルコバ」は、昨年までのトレンドでメインテーマだったサステナブル(自然素材・リサイクル素材・バイオ繊維など)を引き継ぎつつ、サステナブルからインスピレーションを得たカラーをメインとしたトレンドテーマ「FUTURE CONTINUOUS」を構築した。トレンドカラーとして選定したのは計18色。昨年までのトレンドカラーはサステナブル素材そのもののカラーということでナチュラルなアースカラーで構成されていたが、今年はあくまでもサステナブルからインスピレーションを得たカラーであり、必ずしもアースカラーだけではない点が特徴だ。

 会場内のトレンドエリアでは、この18色を「NATURALLY UNEVEN(自然な不均一)」、「RADICALLY RESTRUCTURED(根本的な再構築)」、「REGENRATIVE(再生可能)」という3カテゴリに分類し、トレンドカラーにマッチした出展企業のテキスタイルをピックアップしてズラリと展示した。
 

■「NATURALLY UNEVEN(自然な不均一)」

・NATURALLY UNEVEN GREEN:未処理の石や小石の色合いを模倣した柔らかく落ち着いたグレー
・TRACEABLE WHITE:天然繊維の素朴さを反映した漂白されていないホワイトの色合い
・ALPINE HENMP:麻などの植物由来の繊維の自然な色を際立たせるライトベージュ
・NURTURING EARTH+REVIVAL MUD:土壌の色素で自然に染められたような豊かで温かみのあるブラウン
・ROSE OB PERMANENCE:風化した時代を超越した品質を持つ繊細でダスティなローズ
 

■「RADICALLY RESTRUCTURED(根本的な再構築)」

・END OF PETROL:化石燃料からの転換、再生可能エネルギーを中心とした生産チェーンの再構築を象徴する深みのある工業的なブルーグレー
・DECENTRALISED GREY:安定性と権力と影響力の分散化を表すクールでニュートラルなグレー
・NEW GREEN DEAL:進歩的な変化と約束を体現する鮮やかなグリーン
・DISEMVODIED BLUE:ほとんど人工的、非物質的な感覚の大胆で強烈なブルー。
・VOLET COMMONS:伝統と現代の共同体の価値観の融合を反映した落ち着いたバイオレット
・AUTARCHIC ORANGE:自給自足と地域に根ざした独立したシステムのエンパワーメントを物語る温かみのあるアースカラーのオレンジ
 

■「REGENRATIVE(再生可能)」

・REGENERATIVE AZURE:天然資源の純粋さと再生を象徴する落ち着いた淡いブルーグリーン
・DIGITALLY CRAFTED SAND:デジタルクラフトを思わせる温かみのある明るいサンドベージュ
・RELATABLE BRICK:粘土や土などの天然素材の強さと親しみやすさを想起させる深みのある濃いブラウンレッド
・REPAIRABLE GREEN:癒やしの可能性と生態系の循環性を示唆し、回復力を感じさせる落ち着いたオリーブグリーン
・SYNTROPIC FOREST:密林の活力と、調和と相乗効果で機能する、繁栄する生態系の考えを体現する濃く豊かなグリーン
・IMPERFECT PINK:不完全さと人間的なタッチの美しさを強調しパレットに繊細で柔らかな質感を加える柔らかくダスティなピンク

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